So-net無料ブログ作成

福沢 宏 Fukuzawa Hiroshi, viola da gamba

レコード芸術特選盤(2015年5月号)
福沢CDジャケweb.jpg

マラン・マレ:ヴィオル曲集 第3巻

収録曲
マラン・マレ:ヴィオル曲集 第3巻より
組曲 ニ長調
 Prelude/Fantaisie/Sarabande/Rondeau/Plainte/Chaconne/Charivary
組曲 ト短調
 Prelude/Caprice/Allemande-Double de L’Allemande/Sarabande/
 Gigue la Chicane/Menuet-Menuet Fantasque-Double/Fugue Gaye-Double
組曲 ト長調
 Prelude/Allemande La Magnifique-Double/Courante/
 Sarabande Grave/Gigue a L’angloise
組曲 ハ短調
 Prelude/Allemande/Courante/Sarabande Grave/Gigue/Rondeau

 福沢 宏 (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 武澤秀平 (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 野入志津子 (リュート)
 山縣万里 (チェンバロ)

 FOCD9664 2700+消費税
 録音時期:2014年9月17-19日
 録音場所:五反田文化センター
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
 
「繊細な音楽性、抜きんでた技術と知性で日本を代表するヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の1人である福沢宏。
多くのファンに期待されながらも、あえて自らの名義アルバムを作らなかった福沢が、満を持して初リーダーアルバムをリリース。
ヴィオラ・ダ・ガンバは16~18世紀にかけて用いられたヴィオール属の楽器で、当時は宮廷音楽の隆盛もあり、盛んに演奏されました。本作で採りあげたマレのヴィオル曲集は、この楽器の奏者が避けては通れない名曲です。旧知の仲間を共演陣に迎え、積み重ねてきた経験によって磨き上げられた演奏からは、福沢の音楽家としての真摯な姿勢が伺えます。
ときに大胆に、ときに繊細に奏でられるヴィオラ・ダ・ガンバの響きは聴くものを魅了してやみません。同曲の代表的名盤の誕生です。」(フォンテック)HMV ONLINE より

インタビュー映像「リサイタルを控えて!」
https://www.youtube.com/watch?v=kMnle2_s-Ek

レコード芸術特選盤(2015年5月号)
皆川達夫
推薦 ヴィオラ・ダ・ガンバの福沢宏さんを中心に、同じくヴィオラ・ダ・ガンバの武澤秀平さん、リュートの野入志津子さん、チェンバロの山縣万里さんが、ルイ王朝期フランスの音楽家マラン・マレ(1656~1728)《ヴィオル曲集》第3巻(1711年刊行)から、〈二長調〉〈ト長調〉〈ハ短調〉〈ト短調〉の4曲を合奏しておられる。4人が4人ともに呼吸を完璧に整え、のりにのった演奏をくり広げられる。前へ前へとすすむ〈ロンドー〉のリズム感、盛り上がりの効果が冴える〈シャコンヌ〉の造形性、歌心豊かな〈サラバンド〉の抒情感、それらすべてが聴く者の心をとらえて放さない。大上段に振りかざす大袈裟な狂乱におちいらず、技の誇示に終始する匠気に堕すこともなく、節度と抑制を旨としたひたむきな演奏が流れてゆく。しかもマレ在世当時、すでにこの《ヴィオル曲集》の特徴として指摘されていた「旋律奏法 le jeu de melodie」と「和声奏法 le jeu d‘harmonie」との双方が、的確にバランスよく生かされている。また合奏を始めるにあたって、「黙ってオレに付いてこい」ではなく、「君は、どういうふうに弾いてみたいの」とばかりに、共演者の自主性を第一にしようとする相互のえもいえぬ気遣いと言うか、心の交流のほどが感じとられる。毎回同じようなことを言うが、日本人による古楽演奏がここまできたことを、わたくしは大きなよろこびをもって迎えいれたい。

美山良夫
推薦 ソロ活動とともに、信頼できるコンティヌオ奏者として国内外のアンサンブルに招かれて活動してきた福沢宏氏による、意欲的なマレ演奏が登場した。マレが残した5巻のヴィオール曲集はそれぞれ方向性がことなり、第3巻(1711年)は6年後の第4巻(〈異国趣味の組曲〉を含む)の前でもあり、いささか影がうすい。作曲家自身、短く易しい曲を含めたと記してもいる。一方では新しい装飾音の導入などの創意、速いパッセージや変奏を伴う作品も散りばめられている。福沢宏は9つの組曲から4つを選び、いずれも抜粋で演奏している。そのうち二長調、ト長調の組曲は、かつてジョルディ・サバールが第3巻を録音した際にも選び出さていた。
 演奏は、沈思、内密さよりも、マレの残した楽譜をもとに、「優しく」、「強く」といった支持があればその対比を明確にし、また反復を省略して音楽の変化を浮き彫りにし、リュートを加えた低音によりリズムを際立たせ、自在であるとともに明快な音楽的造型を追及している。通奏低音のヴィオラ・ダ・ガンバを受け持つ武澤秀平の鮮やかさも付記しておきたい。個々の曲について記す紙幅はないが、例えばト長調組曲のアルマンド〈ラ・マニフィク〉とその変奏や、二長調組曲に含まれた内省的ではあるが情緒に流れない〈嘆き〉は、こうしたアプローチがもたらした白眉の演奏だ。ソロが主張をしながらアンサンブルとしても見事なマレを聴くことができる。

【福沢宏プロフィール】
1954年長野県生まれ。東海大学在学中にヴィオラ・ダ・ガンバを志水哲雄氏に師事。1982年、オランダのデン・ハーグ王立音楽院に留学しヴィオラ・ダ・ガンバをヴィーラント・クイケン、室内楽をシギスヴァルト・クイケン、バルトルド・クイケン、ルーシー・ファン・ダールの各氏に師事。88年、ソリスト・ディプロマを得て同音楽院を卒業。在学中より数々の室内楽のメンバーとしてオランダ、ドイツを中心にヨーロッパ各地で演奏活動を展開。またオランダのブラバンツ・オーケストラや、ヘルムート・リリング指揮の国際バッハ・アカデミー・シュトゥットガルト、ドイツのコンツェルト・ケルンなど、主にバッハのカンタータや受難曲で共演。帰国後はソロ・リサイタルの他、古楽関係の音楽祭、サイトウ・キネン・ フェスティバル、NHK・FMリサイタル、名曲リサイタルなどに出演。またバッハ・コレギウム・ジャパンによる演奏会やレコーディングに数多く参加するなど、全国各地で多彩な活動を行っている。「ザ・ロイヤル・コンソート」メンバー。東京藝術大学、東海大学非常勤講師。

CD及びコンサートに関するお問合せ:オフィスアルシュTEL03-3565-6771
CDリリース記念
福沢 宏ヴィオラ・ダ・ガンバリサイタル
2015年10月22日(木)19時開演 淀橋教会 小原記念聖堂
イープラス他発売中)

→ INDEX
→ HOME
→ Concert information

共通テーマ:音楽