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辺保陽一 Hembo Youichi

レコード芸術 準特選盤
朝日新聞 for your Collection 推薦盤
ALCD1154.jpg
狂気と嘆き、そして喜び ~17世紀イタリア音楽の隆盛~
辺保陽一(リコーダー)鴨川華子(チェンバロ)
La pazzia, il dolore e la gioia
Youichi Hembo, flauto Hanako Kamogawa, cembalo

1 G. B. ヴィヴィアーニ:シンフォニア・カンタービレ
Giovanni Bonaventura VIVIANI: Symphonia Cantabile (1678, Venetia)
2 M. ウッチェリーニ:ソナタ第7番 作品5-7
Marco UCCELLINI: Sonata Settima op.5-7 (1649, Venetia)
3 M. カッツァーティ:ソナタ「ラ・カルヴァ」
Maurizio CAZZATI: Sonata “La Calva” (1648, Venetia)
4 G. A. パンドルフィ・メアッリ:ソナタ第6番「ラ・ヴィンチオリーナ」作品4-6
~敬愛するテオドラ・ヴィンチオーリ婦人に捧ぐ~
Giovanni Antonio PANDOLFI MEALLI: Sonata Sesta “La Vinciolina” (1660, Inspruch)
Alla Molto Illustre Signora Teodora Vincioli mia Signora singularissima
5 A. ファルコニエリ:アレマーナ「村」
Andrea FALCAONIERI: Alemana “La Villega”
6 A. ファルコニエリ:モタ城のペドロ氏に捧ぐコリエンテ「ラ・モタ」
Andrea FALCONIERI: Corriente echa para Don Pedro de la Mota “La Mota”
7 A. ファルコニエリ:「女王」
Andrea FALCAONIERI: “La Monarca”
8 A. ファルコニエリ:コレンテ「慎重さ」
Andrea FALCAONIERI: Corrente “La Prudenza”
9 A. ファルコニエリ:ブランド「赤いもの」
Andrea FALCAONIERI: Brando “Il Rosso”
10 B. ストラーチェ:トッカータとカンツォン[チェンバロ・ソロ]
Bernardo STORACE: Toccata e Canzon [cembalo solo]
11 G. フレスコバルディ:バレットという名のアリア[チェンバロ・ソロ]
Girolamo FRESCOBALDI: Aria detta Balletto [cembalo solo]
12 G. A. パンドルフィ・メアッリ:ソナタ第4番「ラ・ビアンクッチャ」作品4-4
~敬愛するG.ジャコモ・ビアンクッチ氏に捧ぐ~
Giovanni Antonio PANDOLFI MEALLI: Sonata Quarta “La Biancuccia” op.4-4 (1660, Inspruch)
Al Molto Illustre Signore Gio. Jacomo Biancucci mio Signore singularissimo
13 G. A. パンドルフィ・メアッリ:ソナタ第4番「ラ・カステッラ」作品3-4
Giovanni Antonio PANDOLFI MEALLI: Sonata Quarta “La Castella” op.3-4 (1660, Inspruch)
Flauti / Recorders
ガナッシアルト (2006年) 譜久島譲 Ganassi Alto (2006) Yuzuru Fukushima 1, 2, 12, 13
ガナッシソプラノ(2003年)譜久島譲 Ganassi Soprano (2003) Yuzuru Fukushima 4-9
ルネサンステナー(2007年)山田有恒(YAMAHA)Renaissance Tenor (2007) Yuko Yamada (YAMAHA) 3
Cembalo / Harpsichord
一段鍵盤イタリアン・タイプ(1990年頃)柴田雄康
Single Manual Harpsichord in the Italian Style of Giovanni Battista Giusti (1995) Takayasu Shibata 1-13

ALCD-1154
〈録音〉相模湖交流センター 2015年1月6〜8日
〈解説〉ダン・ラウリン、ケース・ブッケ、辺保陽一

器楽的な語法が急速な発展を見せた17世紀のイタリア。リコーダー奏者にとって欠かせないレパートリーとなるのが、この時期に多くのヴィルトゥオーゾ誕生により隆盛を極めたヴァイオリンのための作品群である。カンタービレ溢れる演奏と優れたテクニックで、特に初期〜中期バロック音楽の解釈に定評のある辺保陽一が、チェンバロの鴨川華子の好サポートを得て、劇的な表出に満ちたマニエリスムの諸相をダイナミックに描き出す。

~彼らの音楽づくりはとても精確で洗練されており、それはあたかも「言葉のない歌(無言歌)」のごとく、まるで奏者たちが「一緒に会話している」ようだ~
[ダン・ラウリン(リコーダー奏者)]

リコーダー/辺保 陽一 Youichi HEMBO
筑波大学卒業後渡欧。スペイン、カタルーニャ高等音楽院を経て、スイス政府奨学生としてチューリッヒ芸術大学大学院に学びデュプロマを取得、最優秀の成績で卒業。リコーダーを向江昭雅、ペドロ・メメルスドルフ、ケース・ブッケ、また声楽をフランセスク・ガリゴサ、ジル・フェルドマンの各氏に師事。
2009年にはキエフ国立フィルハーモニーメンバーとヴィヴァルディのソプラニーノ協奏曲 イ短調を共演。近年は日本各地でリサイタルを行う他、ケース・ブッケ氏とのデュオ・コンサートツアーや、古楽アンサン ブル『コントラポント』の定期公演に出演するなど精力的に活動している。毎年、大学生を中心としたつくばリコーダー合宿を主宰し、古楽研究会にて定期的に『リコーダー奏者の為の、なかなか聞けない基礎テクニック講座』を行うなど、後進の指導にも情熱を傾けている。茨城の名手・名歌手たち第10回、第20回に出演。ナカルリコーダー教室主宰。ミュージックofハート音楽館(水戸)、麻布ミュージックプレイス他講師。茗溪学園中学校・高等学校、つくばインターナショナルスクール(TIS)非常勤講師。オフィシャルブログ『魂!のリコーダー奏者・辺保陽一』http://ameblo.jp/nakal-fl/

鴨川華子 Kamogawa Hanako, Harpsichord
大阪府に生まれる。東京音楽大学ピアノ科を経て、同大学研究科チェンバロ専攻修了。チェンバロを渡邊順生、アンサンブルを宇田川貞夫の各氏に師事。第9回国際古楽コンクール<山梨>最高位入賞。第7回栃木[蔵の街]音楽祭賞受賞。1998年ブルージュ国際古楽コンクール入選。現在、ソリストおよび通奏低音奏者として活躍している。「ジョーバン・バロック・アンサンブル」メンバー。

■レコード芸術 準特選(2016年1月号)
美山良夫 準推薦
バルセロナとチューリヒで学んで帰国後、師である大御所のケース・ブッケと国内ツアーをおこなうなど着実な活動を続けている辺保陽一がはじめて世に問うディスク。即興性、テクニックの探求、形式の自由さなど、17世紀のイタリア音楽の魅力をリコーダーでも全開にするには、ヴァイオリン音楽からその資源を大胆に取り込もうという企図のもとに、魅力的な曲目がならんでいる。さらにこの演奏には、ガナッシ・モデルのルネサンス・リコーダーを用い、その可能性を探求しようという目論見もおりこまれている。辺保陽一の演奏は、外面的な効果をねらったものではない。パンドルフィ・メアッリのソナタは近年リコーダー(とくにソプラノ)で演奏される機会もふえているが、たとえばここに収録された〈ラ・ビアンクッチャ〉(作品4−4)の演奏は、テンポ表示が頻繁に変わるなかで自然な連続性を保ちながら、ときにスタッカート的に、ときにテンポの伸縮を、また装飾を加え、譜面から豊かな変化をひきだしている。ヴァイオリンのために書かれたパンドルフィ・メアッリやウッチェリーニなどの技巧的なパッセージを、アルト・リコーダーで演奏してみせるところにも演奏者のかける思いがあろうが、華美にならずに技巧と音楽的な内実との美しいバランスが保たれている。リコーダー奏者で、優れたチェンバロ製作家でもあった故柴田雄康作になるイタリア様式の楽器による通奏低音や独奏が、この演奏に錦上花を添えている。

皆川達夫 準推薦
『狂気と嘆き、そして喜び』という魅力的なタイトルのCDである。副題の「17世紀イタリア音楽の隆盛」のように、アンドレーア・ファルコニエーリ(1585ごろ〜1656)、マウリツィオ・カッツァーティ(1620ごろ〜77)、ジョヴァンニ・ブオナヴェントゥーラ・ヴィヴィアーニ(1638〜92以降)といった、あまり名の知られていない17世紀イタリアの音楽家たちのソナタやシンフォニアなど11曲を3種のリコーダーで奏し、さらに2曲のチェンバロ独奏曲を収めている。ひたむきに押して押しまくり、やる気満々、元気溌剌の演奏は、リコーダーの辺保陽一さん、チェンバロの鴨川華子さんによる。それでいて破綻はあまりなく、他のことは気にせずに腕に覚えの技を動員して、体当たりで突き進んでゆく。「あの魅力的なCDタイトルは、そういう意味だったのか」と、感心させられる意欲的な演奏である。リズム感よく、音楽的な勘するどく、説得力もある。収録された作品からみて、これもひとつの適切なアプローチと言えるであろうし、その演奏の積極性は評価したい。ただし、聴く側にしてみると、その時その時の音の動きに引き込まれて、演奏が終わった後の余韻や情感がほとんど残らないことも否めないようである。

神崎一雄(録音評)
一聴して印象的なのは演奏空間の隅々にまで浸透的に鳴るのびやかなリコーダー。それが快適さを聴き手に与えるように働く。チェンバロも繊細感に溢れる。
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朝日新聞 for your Collection クラシック音楽 推薦盤
辺保陽一&鴨川華子(ALM)初期バロックのソナタは名人芸的技巧が聴きどころ。それを辺保のリコーダーが、いとも軽やかに吹きこなす。チェンバロの鴨川との息の合った合奏がまた実に楽しい。(金澤正剛)
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ぶらあぼ 2016年2月号 New Release Selection
筑波大からスペイン、スイスに学び、国際的な活動を展開する辺保。今回は、イタリア中期バロックのヴァイオリン作品に、リコーダーのレパートリーとしての可能性を見出す。伸びやかな美音と鮮やかな技巧に、繊細な音程の揺らしや大胆なポルタメントなど独特の効果を巧みに織り込みつつ、リコーダーならではの表現を希求。シンプルな楽曲の中にも、バロック期を生きた人々の感情の起伏や、輝く陽光を浮き彫りに。そして、イタリアン一段鍵盤チェンバロを駆る鴨川のプレイぶりも、当意即妙かつ饒舌で魅力的。2つの添えられた小さなソロ楽曲も、ピリリとスパイスが効いている。(寺西肇)

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